最近削除したiPhoneの写真は「最近削除した項目」から簡単に復元できますが、1年前、あるいは数年前に消去した昔の写真を復元するのは、非常に困難です。
しかし、状況によっては復元できる可能性も残されています。この記事では、完全に削除されたiPhoneの昔の写真を復元するための3つの方法をご紹介します。
昔に削除したiphone写真が復元できるか？
数年前に削除した昔の写真を復元するのは非常に困難ですが、状況によっては完全に不可能というわけではありません。以下の条件が当てはまる場合、復元できる可能性があります。
写真とiCloudの同期を有効にしている（iCloud写真などが有効で、削除後30日以上経過していても、iCloud側に残っている場合やバックアップがある場合など）。
写真が削除された後、スマートフォンをそのまま放置・利用していない。（データの上書きがされていない可能性が高いため）
iTunes/Finderでバックアップを作成している。
方法1．iCloudからの復元（同期有効/バックアップあり）
iCloudバックアップからの復元は、目的の写真が削除される前にバックアップが取得されている場合にのみ有効な手段です。
しかし、Apple公式の手順に従ってiCloudバックアップから復元を試みる場合、いくつかの深刻な制約とデータ消失のリスクが存在します。
▶第一に、公式の方法では、iCloudバックアップをデバイスに復元するために、iPhoneを事前に「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化（リセット）しなければなりません。これは、デバイスの状態をバックアップ時点に戻すことを意味します。
▶第二に、このプロセスは、バックアップ取得後に作成された現在のデータ（新しい連絡先、最近のメッセージ、最新のアプリデータなど）を、古いバックアップデータで上書きしてしまうという重大なリスクを伴います。
さらに、公式のiCloud復元は、写真だけ、あるいは特定の種類のデータだけを選択的に復元することができず、バックアップ全体をデバイスに「一括復元」する非選択的なプロセスです。
方法2．専門的なデータ復元ソフト（スマホがそのまま放置）
iPhoneのストレージの仕組みでは、データを削除しても、そのデータが即座に完全に消去されるわけではありません。
たとえ数年前にスマートフォンから写真を削除したとしても、その後、新たなデータによる上書きが行われていなければ、専門的なデータ復元ソフトウェア（または専門業者）を利用することで、復元できる可能性があります。
| ソフト | 特徴・強み | 主なターゲットユーザー | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| Gbyte Recovery | 「独占」機能として、他ソフトで見つからない非表示のiCloudバックアップや難度の高いデータ復元に特化。 | 他ソフトで復元できなかった人、iCloudを徹底的に探したい上級者。 | 最低価格：$8.33 |
| Tenorshare UltData for iOS |
高い復元率とシンプルな操作性。データ復元と同時にリンゴループなどのiOSシステム修復も可能。 | データ復元とシステム不具合を同時に解決したい人、バックアップなしで試したい初心者。 | 年間プラン：約$49.99 |
| PhoneRescue for iOS | データ復元に加え、スクリーンタイムパスコード削除などトラブル解決機能が豊富。復元前にプレビューし、必要なデータだけを選択的に復元可能。 | データ復元だけでなく、iOSの様々なロックやシステム問題を解決したい人。LINEやアプリデータの復元を重視する人。 | 1年間サブスクリプション：約$49.99 |
専門的なデータ復元ソフトウェアとしては、「Gbyte Recovery」、「Tenorshare UltData」、「PhoneRescue」などが広く利用されています。ここでは、これらの主要なソフトの価格、機能、特徴、ソリューション提供といった基本情報を確認していきましょう。
バックアップを取っておらず、PCも利用できない場合には、「Gbyte Recovery」のご利用をお勧めします。
Gbyteは独自のiCloudソリューションで、Appleアカウントとペアリングするだけで、スマートフォン全体をディープスキャン、上書きされていない写真、メモ、LINEなどのアプリのデータも完全に復元できます。
ステップ1. Gbyte RecoveryのPC版をダウンロードするか、Webアプリを利用します。（モバイルユーザーはスキャン前に無料アカウントを登録する必要があります。）
ステップ2.スキャンするデータの種類を選択します。写真以外のLINE、WhatsAppなどのトーク履歴を確認するには、「すべてのデータタイプ」を選択します。または、「写真」を選択して「スキャン」をクリックします。
ステップ3．スキャン完了までしばらくお待ちください。Gbyte Recoveryが、過去に使用されたデバイスに関連するiCloud上のすべてのデータを徹底的に検索し、現在存在する写真とすでに削除された写真の両方を検出します。
ステップ 4.スキャンが完了すると、PC ユーザーにはスキャンが完了したポップアップ通知が画面上に表示され、モバイル ユーザーには完了メールが届きます。
ステップ 5.「写真」タブをタップすることで、検出された写真を無料でプレビューできます。（データの復元およびエクスポート機能をご利用いただくには、プレミアムプランの購入が必要です。）
方法3．iTunes/Finderのバックアップを利用する
備え策としてFinder（Windowsの場合にはiTunes）でバックアップを作成していた場合には、それを利用することで、かなり昔に削除した写真さえも簡単に復元できます。
Finderを使ったiPhoneのバックアップ復元手順
ステップ 1: MacでFinderを開きます。
ステップ 2: お使いのiPhoneをコンピューター（Mac）に接続します。
ステップ 3: Finderのサイドバー（または「左側のリスト」）から、ご自身のiPhoneを選択します。次に、「一般」タブの下にある「iPhoneをバックアップから復元...」をクリックします。
ステップ 4: 復元したいバックアップ（目的の写真が含まれている最新のもの）を選択します。
ステップ 5: 「復元」をクリックし、操作を確定します。
【重要】注意点:
バックアップから復元を実行すると、iPhone上の現在のデータがすべて上書きされます。
復元する前に、バックアップ後に作成された新しいファイルは必ず別の場所に保存してください。
削除されたiPhone写真を復元するための3つの方法の比較
削除されたiPhoneの昔の写真を復元するには、「iCloudバックアップからの公式復元」「専門データ復元ソフトの利用」「Finder/iTunesバックアップからの復元」の3つのアプローチがあります。
それぞれの方法には、メリット・デメリット、そして利用すべき状況が異なります。
| 比較項目 | iCloudからの公式復元 | 専門的なデータ復元ソフト | Finder/iTunesバックアップ |
|---|---|---|---|
| データ上書きリスク | 極めて高い（現行データがすべて上書きされる）。 | 低い（新しいデータの上書きがない場合）。 | 極めて高い（現行データがすべて上書きされる） |
| 復元前の準備 | iPhoneの初期化（すべてのコンテンツと設定を消去）が必須。 | 不要 | 不要（Mac/PCへの接続のみ） |
| 選択的復元 | 不可（バックアップ全体の一括復元のみ） | 可能（写真や特定のデータを選択可） | 不可（バックアップ全体の一括復元のみ） |
| 有効な条件 | 写真削除前にiCloudバックアップがある | 削除後にデータの上書きがない（スマホ放置）） | 写真削除前にFinder/iTunesでバックアップがある |
| 価格 | 無料（Apple公式機能） | 有料（ソフトウェア購入費用） | 無料（Apple公式機能） |
| 向いている人 | 写真復元が最優先で、現在のデータがすべて消えても問題ない人。 | 他のバックアップがなく、削除後にスマホをほぼ使っていない人。 | 写真復元が最優先で、現在のデータがすべて消えても問題ない人。 |
各方法のメリットデメリットと必要の条件を確認したうえで、自分のニーズに応じている方法を選択しましょう。
よくある質問
Q1. 「最近削除した項目」の30日間が過ぎてしまった写真は、もう絶対に復元できませんか？
A: いいえ、必ずしもそうではありません。30日以降でも復元できる可能性はあります。削除前にiCloudバックアップやiTunes/Finderでバックアップを取っていた場合、そこから復元できます。また、バックアップがなくても、削除後にスマートフォンをあまり使用していない場合は、専門的なデータ復元ソフト（Gbyte Recoveryなど）を使って復元できる可能性があります。これは、削除されたデータが新しいデータで上書きされていなければ、ストレージに痕跡が残っているためです。
Q2. データ復元ソフトを使う場合、必ずパソコンが必要ですか？
A: いいえ、必ずしも必要ではありません。例えば「Gbyte Recovery」はWebアプリ版も提供しており、スマートフォンだけで利用できます。モバイル版では無料アカウントの登録が必要ですが、PCがなくてもスキャンやプレビューが可能です。ただし、他の多くのデータ復元ソフト（Tenorshare UltDataやPhoneRescueなど）は、PC版のみの対応となっているため、事前に確認することをおすすめします。
Q3. iCloudバックアップから写真だけを復元することはできますか？
A: 残念ながら、Apple公式の方法では写真だけを選択的に復元することはできません。iCloudバックアップから復元する場合、バックアップ全体を一括で復元する必要があり、その過程でiPhoneを初期化しなければなりません。これにより、現在のデータはすべて上書きされてしまいます。写真だけを選択的に復元したい場合は、専門的なデータ復元ソフト（Gbyte Recovery、Tenorshare UltDataなど）を利用する必要があります。
Q4. 復元ソフトの「スキャン」にはどれくらい時間がかかりますか？データ量によって変わりますか？
A: はい、データ量やiCloudに保存されているバックアップの数によって大きく異なります。数GB程度のデータであれば数時間、数十GBや複数年分のバックアップがある場合は半日から1日以上かかることもあります。スキャンは自動で行われるため、時間がかかる場合は夜間に実行を開始し、翌朝結果を確認するのが効率的です。完了後は通知やメールで知らせてくれるソフトが多いです。
Q5. 削除した写真を復元するために、今からできる予防策はありますか？
A: はい、いくつかの予防策があります。まず、iCloud写真の同期を有効にすることで、写真が自動的にクラウドに保存されます。次に、定期的にiTunes/Finderでバックアップを作成する習慣をつけましょう。さらに、重要な写真はGoogle フォトなどの別のクラウドサービスにも保存しておくと二重の保険になります。また、写真を削除する前に必ず確認する、削除後30日以内なら「最近削除した項目」から復元できることを覚えておくことも大切です。
まとめ
iPhoneの昔の写真復元は困難ですが、ご紹介した3つの方法で可能性は残されています。
現在のデータを守りつつ、写真だけを復元したい場合は、「専門的なデータ復元ソフト」が最良の選択です。一方、バックアップからの完全復元を望むなら、データの上書きリスクを理解した上で「Finder/iTunes」や「iCloud」からの復元を選びましょう。
ご自身の状況（バックアップの有無、スマホの利用頻度）とニーズに合った方法を選択し、大切な写真の復元に挑みましょう。
