LINEのトーク履歴が消えてしまったり、誤って削除してしまった場合、復元できる方法はあるのでしょうか?実は、LINEのトーク履歴を復元する方法はいくつか存在し、それぞれの方法を使うタイミングや状況によって成功率が変わります。
この記事では、LINEの過去のトーク履歴を復元するための4つの方法を徹底解説します。
LINEから削除された過去のトークは復元できるか?
LINEのトーク履歴は基本的にスマートフォンにローカル保存され、メッセージは暗号化されて日本国内のデータセンターに保存されます。これにより、LINEヤフー株式会社のサーバー管理者でも内容を閲覧できません。
しかし、トークを削除したり、アプリをアンインストールしたり、機種変更した場合、事前にiCloudやGoogle Driveでバックアップしていない限り、履歴の復元は基本的に不可能です。
ただし、6桁のPINコードを設定していれば、iCloudやGoogle Driveのバックアップがなくても、直近14日分のテキスト履歴を復元することが可能です。
【方法1】Androidスマートフォン向け:Google Driveを用いた復元
Android版LINEでは、機種変更時だけでなく、通常時にも「復元する」機能があり、誤って削除したトーク履歴をGoogle Driveのバックアップから復元できます。
この公式復元方法の特徴は、新たにやり取りしたトークが消えることなく、削除された履歴のみを復元できる点です。これにより、復元作業中に既存のトークが影響を受けることなく、安全に履歴を戻せます。
詳細手順:LINE設定からの「復元する」実行
Androidスマートフォンでトーク履歴を復元する手順は以下の通りです。
LINEアプリを起動し、「ホーム」タブの右上にある設定ボタン(歯車のアイコン)をタップします 。
「トークのバックアップ・復元」の項目へ進みます 。
画面に表示される「前回のバックアップ」の日時を確認し、復元したいトークが残っている時点の日付であることを確認します 。
「復元する」をタップし、Google Driveからの復元処理が完了するのを待ちます 。
復元が正常に完了すると、削除してしまったトーク履歴が再びトークルームに表示されます 。
※ご不明な点がございましたら、LINE公式のヘルプセンターをご確認ください。
【方法2】iPhone向け:iCloud経由でのアンインストール復元
iPhone版LINEの復元プロセスは、Androidに比べて手間とリスクが伴います。iOS版LINEには、誤削除後に単独で実行できる「復元する」機能がありません。
iPhoneでiCloud Driveに保存されたバックアップデータを使ってトーク履歴を復元するには、LINEアプリを一度アンインストールし、アカウントを再ログインして再インストールする必要があります。この手順は、通常の機種変更時と同様です。

復元作業を実行する前に、iPhoneの設定でiCloud Driveがオンになっていること、またiCloudに保存された項目の中で「LINE」がオンになっていることを確認する必要があります。
詳細手順:iCloud Driveの確認から再インストール・PINコード入力まで
iPhoneでiCloudバックアップからトーク履歴を復元する手順は以下の通りです。
バックアップの確認: LINEアプリの設定で「トークのバックアップ」に進み、「前回のバックアップ」の日時を確認します。復元したいトークが残っている日時であることを確認してください 。
LINEアプリのアンインストール: バックアップ日時を確認したら、LINEアプリをホーム画面から完全に削除(アンインストール)します。この操作により、現在の端末内に保存されているLINEのローカルデータはすべて削除されることになります 。
再インストールとログイン: App StoreからLINEアプリを再インストールし、起動します。電話番号認証やパスワード/Apple ID認証などを経てログインします 。
復元実行: ログインプロセス中に「トーク履歴を復元」画面が表示されたら、それを選択し、バックアップ時に設定しておいた6桁のPINコードを入力します 。画面の指示に従い進めることで、iCloud Driveからバックアップデータが復元されます。
※iPhoneでアプリを再インストールして復元する場合、復元前のローカルデータは一時的に全て削除される仕組みになっています。そのため、バックアップがない期間のトーク履歴は失われてしまいます。
【方法3】バックアップがない・不十分な場合のトーク履歴復元
公式のバックアップや代替策がすべて失敗した場合は、Gbyte Data Recovery for LINEやTenorshare UltData LINE Recoveryといった専門的なデータ復元ツールの利用を検討できます。
これらのツールは、スマートフォンの内部ストレージやキャッシュデータ、システムファイルに残存しているトーク履歴の断片的なデータをスキャンし、復元を試みるものです。これは、事前にバックアップを作成しなかった端末からデータが完全に消去されていない場合に有効な手段となる可能性があります。
Gbyte Data Recovery for LINEやTenorshare UltData LINE Recoveryなど、専門的なソフトの選択に迷っている初心者の方は、ぜひ以下の比較表をご確認ください。
項目 | Gbyte Data Recovery for LINE | Tenorshare UltData LINE Recovery | Wondershare Dr.Fone |
---|---|---|---|
性能・特徴 | LINE復元に特化。トーク履歴、画像、動画、ファイルなど多様なLINEデータの復元に対応、操作が分かりやすい。 | トーク履歴に加え、画像、動画、ファイルなど多様なLINEデータの復元に対応。(Android専用) | データ復元、転送、バックアップ、画面ロック解除など、スマホ管理の多機能スイートの一部として提供。 |
LINEトーク履歴復元 | 可能 (主要機能) | 可能 (主要機能) | 可能 (LINE/WhatsApp転送・復元機能に含まれる) |
価格 (永久ライセンス) | 約 7,980円 | 約 7,580円 | 約 5,980円 |
向いている人 | LINEのデータ復元のみを、迷わずシンプルに行いたいユーザー。 | 価格とLINE復元性能のバランスを重視し、実績のあるソフトを使いたいandroidユーザー。 | LINEだけでなく、iPhoneやAndroidのデータ管理・トラブル解決全般を一つのソフトでカバーしたいユーザー。 |
「Gbyte Data Recovery for LIne」は無料スキャン機能を提供しているため、まずは無料版で目的のデータが見つかるか試してみることをおすすめします。
【方法4】試す価値のある復元裏ワザ2つ
クラウドバックアップがない、または「削除後にバックアップを取得してしまった」ために公式な復元が不可能な場合でも、トーク履歴の内容を確認・救出するための次善の策がいくつか存在します。
裏ワザ1.パソコン版LINEの活用
LINEはスマートフォンだけでなく、パソコン(PC)版でも利用可能です。通常、スマートフォン側でトーク履歴を削除すると、その操作はPC版にも即座に同期され、履歴が反映(削除)されます。
しかし、この削除データがサーバーを経由してPC版に反映されるまでには、わずかな時間差(非同期性)が発生する可能性があります。スマートフォンの操作は「端末内でのローカル操作」として処理されるため、この遅延こそが、PC版にデータが残る唯一のチャンスとなります。
実行手順と注意点
トークが消えていることに気づいた際は、同期が進んでデータが上書きされてしまう前に、以下の行動を可能な限り迅速に行うことが推奨されます。
すぐにPC版LINEを起動・ログインする。
削除されたはずのトークルームを開き、履歴が残っていないか確認する。
もし履歴が残っていた場合は、すぐに手動でデータを保存する。
重要な部分のスクリーンショットを連続で撮影する。
キーボード操作(
Ctrl+A
→Ctrl+C
、またはCmd+A
→Cmd+C
)を用いてテキストを全選択・コピーし、メモ帳やWordなどにペーストして保存する。
※この方法は、同期の遅延という偶然のタイミングに依存しますが、試す価値のある緊急対策です。

裏ワザ2. 相手に依頼する方法
トーク履歴の「削除」は、あくまで自分の端末内のデータを消去する操作であり、相手の端末に保存されているトーク履歴には一切影響を与えません。
したがって、クラウドからの復元が不可能であった場合、トークの相手に直接連絡を取り、必要なメッセージ部分を教えてもらうのが最も確実な救出方法となります。
相手に依頼する際は、単にスクリーンショットを送ってもらうだけでなく、LINEの機能である「トーク履歴を送信」を活用してもらうことで、トークルーム全体の履歴をテキストデータ(.txtファイル)としてエクスポートし、送付してもらうことが可能です。この手順は、トークルームの右上「メニュー」 から「設定」>「トーク履歴を送信」をタップして実行できます。
LINE復元に関するデータ種別の理解と予防策
トーク履歴の復元において、ユーザーが最も混乱しやすいのが、データ種別ごとの復元可否の違いです。
LINEの標準クラウドバックアップ(iCloud/Google Drive)が主な対象とするのは、テキストメッセージの履歴です。そのため、クラウドバックアップが存在すれば復元が可能です 。
一方、トークルームで送受信された画像や動画(メディアファイル)は、LINEの標準バックアップ機能では原則として復元できません。これは、メディアファイルが大容量であるためにクラウドバックアップの対象外とされていること、加えて、これらのファイルはLINEサーバー上で通常約30日間の有効期限が設定されているためです 。この期限を過ぎると、メッセージのテキスト履歴が残っていても、画像自体は閲覧も復元も不可能となります。
データ種類 | 標準クラウドバックアップの対象 | 保存場所/期間の目安 | 復元・閲覧可否の条件 |
---|---|---|---|
テキストメッセージ | ✅ | クラウド (iCloud/Google Drive) | バックアップがある場合に復元可 |
直近14日間のテキスト | ✅(PINコード必要) | LINEサーバー/端末ローカル | PINコード設定で復元・引き継ぎ可能 |
トーク内の写真・動画 | ✖ | LINEサーバー (約30日間) | 期限後は閲覧不可。復元も不可 |
アルバム・ノート | ✖ | LINEサーバー (無期限) | 削除・退会しない限り永続的に閲覧可能 |
日常的なバックアップ設定の推奨
過去のトーク履歴の復元は、予期せぬデータ損失へのあくまで緊急的な対処に過ぎません。最も重要かつ確実なデータ保護策は、日常的に自動バックアップを設定しておくことです。
自動バックアップをONにしておくことで、誤操作による削除やスマートフォンの故障といった不測の事態が発生した場合でも、最新の状態に近いトーク履歴を確実に復元できる可能性が高まります 。
【推奨される設定方法】
LINEアプリの「ホーム」タブから「設定」に進み、「トークのバックアップ」(Androidの場合は「トークのバックアップ・復元」)を選択します。次に「バックアップ頻度」から「自動バックアップ」をONに設定することが推奨されます 。
この際、初回バックアップ時に設定する6桁のPINコードは、復元時に必須となるため、必ず記録し、大切に保管してください。
よくある質問
Q1. LINEのトーク履歴はバックアップなしでも復元できますか?
A: 残念ながら、事前にバックアップを取っていない場合、基本的にトーク履歴の復元は困難です。ただし、端末が故障していない場合や、特定のデータ復元ツールを使用できる場合に限り、一部データが復旧できる可能性があります。
Q2. iPhoneとAndroidでバックアップ方法に違いはありますか?
A: はい、大きく異なります。iPhoneはiCloudを使用し、AndroidはGoogleドライブを使用します。また、異なるOS間(iPhoneからAndroidなど)ではトーク履歴の引き継ぎができないため、機種変更時は注意が必要です。
Q3. LINEアプリを削除してしまった場合、トーク履歴は消えますか?
A: アプリを削除するとトーク履歴も削除されます。再インストール後は、事前にバックアップを取っていた場合のみ復元が可能です。定期的なバックアップの習慣をつけることが重要です。
Q4. バックアップの頻度はどのくらいが適切ですか?
A: 重要なやり取りが多い方は週に1回、一般的には月に1〜2回程度のバックアップをおすすめします。機種変更前や重要な会話の後には必ずバックアップを取るようにしましょう。
Q5. トーク履歴の復元に失敗した場合、どうすればいいですか?
A: まずバックアップの日付と保存先(iCloud/Googleドライブ)を確認してください。ネットワーク接続が安定しているか、ストレージ容量が十分かも確認が必要です。それでも解決しない場合は、LINEの公式サポートに問い合わせることをおすすめします。
まとめ
LINEのトーク履歴を失った場合の復元方法はいくつかありますが、成功の鍵は「事前のバックアップ」に尽きます。
もしトークを誤って削除してしまった場合、AndroidユーザーはGoogle Driveを用いた公式の「復元する」機能が最も簡単かつ安全です(方法1)。一方、iPhoneユーザーはアプリの再インストールとiCloudバックアップからの復元が必要です(方法2)。バックアップがない、または不十分な場合は、専門の復元ツール(方法3)や、PC版LINE・相手への依頼といった裏ワザ(方法4)を試す価値があります。
ただし、写真や動画は標準バックアップの対象外であり、サーバーの保存期間(約30日間)を過ぎると復元はできません。
最も確実なデータ保護は、LINEの設定から自動バックアップをONにし、初回設定時の6桁のPINコードを大切に保管しておくことです。万が一に備え、今日からでも確実な予防策を講じましょう。