
普段何気なく使っているパソコンのマウス。その名前と形が動物の「ネズミ」にそっくりなのは、偶然ではないって知っていましたか?今回は、その意外な由来について、歴史を紐解きながらご紹介します。
コンピューターマウスが初めて発明されたのは、今から60年以上も前の1960年代。発明者はダグラス・エンゲルバートという人物です。

当時のマウスは現代のものとは大きく異なり、手のひらサイズの木製の箱でした。そして、一番の特徴は、コンピューターと接続するためのケーブルが、まるでネズミの「尻尾」のように本体の後ろ側から伸びていたことです。
さらに、机の上でこの小さなデバイスを動かす様子が、まるでネズミがちょこまかと動き回っているように見えたことから、開発者たちは親しみを込めてこれを「mouse(マウス)」と呼ぶようになりました。これがそのまま定着し、世界中に広まったのです。
現在のマウスになると基本的に光学機械式マウスになっております。
初期の木製マウスから始まり、ボールを転がして動きを検知する「機械式マウス」を経て、現代のマウスは大きく進化しました。
現在の主流は「光学式マウス」です。これは、LEDやレーザーの光を使い、マウスパッドや机の表面の凹凸を読み取って動きを検出します。これにより、機械式マウスのように内部にゴミが溜まる心配がなくなり、よりスムーズで正確な操作が可能になりました。
また、接続方法も進化し、ケーブルのない「ワイヤレスマウス」が普及しました。BluetoothやUSBレシーバーを介して接続することで、デスク周りがすっきりとし、より自由にマウスを動かせるようになっています。さらに、指先の動きに合わせて画面をスクロールできる「スクロールホイール」の搭載や、複数のボタンに機能を割り当てるカスタマイズ性の向上など、私たちの使いやすさを追求した進化は今も続いています。
マウスの歴史には、もう一つ面白い雑学があります。実は、マウスの移動距離には「ミッキー」という単位が存在しました。
これは、マイクロソフト社でマウスのプログラムを担当していた技術者が、「マウス(ネズミ)といえば、あのキャラクターしかないだろう!」とジョークで名付けたもの。冗談半分でつけた名前でしたが、その後、実際にマウスの移動量を表す単位として使われることもありました。ちなみに、1ミッキーは約0.254mmだそうです。
このように、私たちの身近にあるデバイスにも、歴史的な背景や面白いエピソードが隠されているんですね。